昨今、サービス残業の禁止やテレワークへの移行が進んでいますが、業務量は変わらずに、単に各個人への負荷が増してしまっているケースが多い様です。しかし、各個人の工夫レベルでは生産性改善の余地は限られています。個人レベル以上の効果を出すには、管理レベルでの改善が必要となるでしょう。その一つの方法として、業務のマニュアル化が挙げられます。マニュアル化を行うことで、教育時間の短縮や、業務品質の均一化等を図る事ができるようになります。
とは言え、いざマニュアル化を行おうとすると、様々な障害が発生します。業務の担当者が「既得権益を侵害される」と感じれば抵抗されてしまうでしょう。そのような事態を避け、無事に理解を得て協力を取り付ける為には、マニュアル化を始める前の下準備が必要です。
そこで今回は、マニュアル化が頓挫しない為には欠かせない下準備を、3ステップにまとめましたのでご紹介します。
1.業務フロー・作業手順の明確化
情報の流れ、製品・商品の流れ、判断の分岐等をプロットし線で繋いだフロー図を作成し、業務の全体像を把握します。作成ツールはExcelのオートシェイプで十分でしょう。
2.マニュアル化する業務範囲を決める
マニュアル化の対象とする業務の範囲を決めます。業務の中でも、どの工程から着手するか等、予め優先順位をつけておいた方がスムーズです。最初に選ぶ工程は、作成に慣れるためにシンプルな工程で、且つマニュアル化の効果が期待できるものが良いです。
3.マニュアル化への理解を得る
対象となる業務をされている方々に対し、マニュアル化を行うことについて理解を得ます。
マニュアル化される側の方々の中には、自分の業務のやり方に口出しされるのではと不快に感じる方、他の人に仕事を奪われるのではと不安に感じる方、これまでサボっていたと思われてしまうのではと警戒する方などがいる事があります。
ですから、そういった方々の気持ちに配慮した上で、マニュアル化の意義を理解して頂き、協力を取り付けることが大切です。